離脱率は必要か?
はじめに
GA4では、従来のユニバーサル アナリティクス(UA)で使われていた「離脱率」が廃止されました。では、離脱率はもはや不要なのでしょうか?
UAで使われていた離脱率の限界
離脱率は、ユーザーがサイトにアクセスし、他のページに移動せずに離脱したセッションの割合を示すものです。しかし、この指標は、実際にユーザーが満足してサイトを離れたのか、それとも興味を失ったのかを判断することができません。
例えば、1ページで十分な情報を得て離脱する場合、ユーザーは満足している可能性があります。
GA4の新しい指標:エンゲージメント率
エンゲージメント率は、ユーザーが積極的にサイトを利用したセッションの割合を示し、次のような基準で計測されます。
- 滞在時間が10秒以上
- コンバージョンイベントの発生
- 複数ページの閲覧
このように、GA4では「単にページを離れたかどうか」ではなく、ユーザーがどれだけ積極的にサイトと関わったかを測ることができるようになっています。
離脱率は不要か?
とはいえ、離脱率もデータの深い理解に役立つ場合があります。エンゲージメント率と離脱率は、ユーザー行動を評価する上で異なる側面を提供する指標であり、両方を組み合わせて考えることで、より包括的なインサイトを得ることができます。
- エンゲージメント率は、ユーザーがコンテンツに興味を持っているかどうかを知ることができます。
- 離脱率は、特定のページが離脱のトリガーになっているかどうかを知ることができます。
離脱率とエンゲージメント率の関係
離脱率とエンゲージメント率は、反比例することが多いですが、エンゲージメント率が高く離脱率も高い場合には、次のような状況が考えられます。
- 1ページ完結型のコンテンツ:ブログ記事やランディングページなど、1ページで必要な情報がすべて提供されている場合、ユーザーがそのページだけで満足し、他のページに移動せずにサイトを離脱することがあります。
- ナビゲーションの問題:ユーザーがコンテンツに興味を持っていたものの、次に進むべきアクションがわからなかった可能性があります。
- ページの役割の誤解:サンクスページやコンタクト完了ページなど他のページへの誘導を目的としていない、最終到達点となるページである場合、離脱率が高いのは自然です。
まとめ
エンゲージメント率と離脱率は、異なる視点からユーザー行動を理解するための補完的な指標です。エンゲージメント率が高いからといって、離脱率が無意味になるわけではありません。両方の指標をバランスよく活用することで、ユーザー行動をより深く理解し、サイトの最適化に役立てることができます。